2018.04.06
古材の販売、取扱いについて【シーン別、施工事例付き】
古材という言葉をご存知でしょうか?
古材とは、家屋で長年利用されてきた木材、或いは地中や水中に何十年、何百年と埋もれて化石化した木材のことを指します。
割り箸、公園のベンチ、カフェのテーブル。
私たちの身のまわりに、気づけば様々なところに顔を覗かせる木。
それらはいつのまにか私たちの側にいて、心にやすらぎをもたらしてくれています。
そして特に古材のように年月が経った木からは荘厳な雰囲気が漂い、見る者を圧倒させる力があります。
では、そもそも木と私たち日本人はどのように生活を共にしてきたのでしょうか?
ここでは、木と人類の歴史をはじめとして、古材について記載していきます。
目次
1.歴史に見る木と人類の生活
2.木の中には見えない尊い存在が宿っている
3.木は私たちと共に生きている
4.古材の取扱いについて
1.歴史に見る木と人類の生活
木。それは太古から私たち日本人にとって最も身近にあり、生きる上で欠かせない存在でありました。
古くは縄文、弥生時代といった、まだ文明が発達していない頃。木は竪穴式住居の材料として使用されただけではなく、獲物を狩る道具として活躍し人類の営みを支えてくれました。
やがて文明が発達すると、木は神社や寺院などの歴史的建造物の材料として使われるようになります。建設から1300年以上の歴史を誇るとされる世界最古の木造建設物、法隆寺の五重塔や、日本国宝の一つであり世界最大級の木造建築物である東大寺の大仏殿をはじめ、日本には数多の歴史的木造建造物があり、それらは国境を越えて見る者の心を打ちます。
2.木の中には見えない尊い存在が宿っている
また、私たちの祖先は木の中に精霊や神様といった目には見えない尊いものが宿ると信じ、信仰の対象として崇め奉ってきました。
特に太い木や、樹齢を経た木には注連縄を張り、やがて「御神木」という名で呼ばれるようになります。私たちの祖先は、自然を崇拝し、いつ何時であっても自分を包み込んでくれる神様の存在を木の中に感じていたのです。
御神木の中には樹齢1000年、2000年、3000年もの長い時を刻みながら生き続けている木もあります。
私たちが歴史の教科書でしか知り得ない時代の数々を生きてきた木を前にすると、畏怖の念を抱きます。一体この木は何を感じ、何を言わんとしているのか。問いかけても答えは出ない問いを、思わずかけてみたくなるのは自然なことなのかもしれません。
3.木は私たちと共に生きている
なぜ、これほどまでに木は私たちの心を掴んで離さないのでしょうか。
木を前にすると心が安らぎ、安心するような気持ちになるのでしょうか。
それは、木が私たちと共に生きているからだと思うのです。
(私たちと同じように)水を摂取し、呼吸をし、葉をつけ、実を垂らし、やがて枯れていく。
一連のそれはまるで、私たち人間の一生と同じようにも見えます。
また、木は伐採されて家具になってもなお、生きているといいます。季節や気候により、大きさが変わるのです。正確には生きているのではなく、水分を吸ったり、吐いたりする調湿作用によって木が伸縮するのですが、これはプラスチックや鉄などの人工物には見られない大きな特徴といえます。
私たちは木を見ることで、その中に自分たちと同じ生命を感じ、安心するのかもしれません。
4.古材の取扱いについて
これまで日本では、解体された家屋から出る古材は廃材とされ、処分されてきたのでなかなか流通しませんでした。しかし近年になり、こうした古材の価値が見直されつつあります。
日本古民家に使用されていた古材を店舗や住宅、オフィスの内装に使用することも珍しくなくなりました。またそれだけではなく、北米・東南アジアをはじめ世界中から古材は日本に輸入され、多くの人の目に留まる機会が格段に増えました。
そんな今だからこそ、改めて木の魅力、木の歴史に思いを馳せてみませんか。
奈良県宇陀市で150年の歴史をもつ奈良漬製造元「いせ弥」様の店舗に全面的に当社の材をご採用いただきました。
ここでは、その一部をご紹介させていただきます。
天井に設えてある太鼓梁や
指鴨居には古材が使用されています。
年季が入った木だからこそ、新材には出しえない風合いと味わいがあります。
大正2年創業の弊社、株式会社 渋谷 では、長年の歴史と経験、目利きにより、世界各地から仕入れた古材を管理、販売しております。その貯木量は日本最大級です。
古材をお求めの際は、ぜひ弊社へお声がけください。