2018.04.06

優秀さゆえに伐採を禁止された「木曽五木」とは?【販売あり】

長野県に存在する木曽の山々は、古くから建築材料として優秀な木材を産出することで有名でしたが、江戸時代初期の経済成長に伴い城下町の建設などで伐採が進み、荒廃していきました。

 

 

このため、木曽の山々を管理していた尾張藩により「木一本、首一つ」といわれる厳しい保護政策が取られました。その政策により保護された木曽に自生する樹木の中でも、より優秀とされた5種の銘木「ヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ」称して「木曽五木」と呼びます。

 

 

このページでは、「木曽五木」がなぜ特別扱いを受けるほどに優秀とされるのか、その所以をご紹介致します。

 

目次

1.日本の建設業を支えた国産の銘木

2.木曽の五木の魅力

3.「木」が創り出す五感で感じる癒しの空間

4.木曽五木が繋ぐ「想い」

 

 1.日本の建設業を支えた国産の銘木

 

はるか昔から日本人は様々な美しい建築物を木材で作ってきました。生活の基盤である家屋をはじめ、劇場、橋、寺院や神社に至るまで。もちろん、当時「宮大工」と呼ばれていた職人の技術によるものですが、それらを可能にしていたのは日本という島国に自生する優秀な樹木の存在があったからです。

 

 

この背景には、まず日本は国土の3/4が山地という、木材が容易に手に入る環境であること。加えて、夏には高温多湿になり、冬には長期間に渡り乾燥した気候にさらされる風土で育った木々は、温度や湿度でその状態を柔軟に変える特徴があること等があります。

その中でも「木曽五木」はそれぞれに大きな特徴を備えており、城下町の発展を支え、日本が世界に誇る木造建築を支える優秀な木材とされています。

 

 

 2.木曽の五木の魅力

 

木曽の樹々は群生する姿にも引き込まれる美林。前述の通り、建築素材としても優秀な木曽五木ですが、一本一本にもここまで評価されるに至った壮大なドラマや特徴といった、大きな魅力を備えております。私たちもその魅力の虜になり、長い間これらの樹々と向き合ってまいりました。それゆえ、それぞれの樹種に対しての理解度も随一であると自負しております。

 

 

日本の成長を支えてきたといっても過言ではない「木曽五木」。

これらがあなたのドラマに、一つ華を添えてくれるものになると確信しています。主観になってしまう部分もございますが、あなたの感性を揺さぶる樹木を見つける一助になれば幸いです。

 

 

ヒノキ(檜)

国内で最も有名な銘木の一つであるヒノキですが、「木曽といえばヒノキ」と言われるほど、五木の中でも重要な樹種です。木目が通り緻密で加工後の外観も非常に美しく、清楚な色合いと香気・光沢に富んでいます。

伊勢神宮を始め、壮大かつ高雅な高級建築用木材として知られています。材質は強堅で、木材の反りやねじれが少なく、耐久性や保存性は世界最高レベルとされています。しかも加工がしやすいという特性を持つため付けられた???は「木材の王」。

その美しさは空間全体を彩り、圧倒的な存在感で見るものを魅了し、あなたを後悔させることはないでしょう。

 

サワラ(椹)

木目が整っており、ヒノキと似て白色に近い色合いで美しい木材です。天然の分布はヒノキと同じく海抜1,000m前後にあり、谷間を好むサワラは、耐湿性に富み、酸類にも強いため、桶材として最も優れています。軽さは国内で一番軽いとされるキリ材についでおり、その扱いやすさも特徴の1つ。

他の4種と比べ、香りの少なく殺菌作用のあるサワラはお米に関連した飯台などにも多く用いられます。

さっぱりとしたクセのない印象を受ける、端正な上品さが彩るアクセントにご満足いただけるはずです。

 

アスナロ(翌檜)

心材は暗黄色、辺材は淡黄色で、他のものの邪魔をしない居心地の良い空間を彩ります。色合いや香気の点でヒノキには劣りますが、反りやねじれは起こりにくい強堅なことが優れるとされる所以です。加えて、薬用成分が強く、湿気・腐蝕などに対する耐久性が強いことが証明されており、まな板などに使用される木材として最高級品とされています。

清潔感のある色合いに魅了されている愛好家も多い一本ではないでしょうか。

 

コウヤマキ(高野槙)

材色は黄白色で、木目がはっきりと通り美しく、ヒノキ以上の光沢があり、永く水湿に耐えることは、五木のうちで最も長けており、高級な風呂桶、水桶などの最適材としても重宝されます。

ヒノキより一層乾燥している場所に成育し、峰筋の土の浅い岩石地にも多く見られます。他の樹種と比較して最も成長が遅く、全国でも有数の希少な銘木。

精悍な存在感は、平静さを与えてくれる最高の樹種です。

 

ネズコ(鼠子)

材質は木目が細かく通り芳香を放ち、色合いは黒褐色で渋味がある一際目を引く材木。耐水性に優れ、軽く、摩耗にも強い特性があり、茶ダンスなどの家具、天井板、建具材に用いられております。

一般には湿地や陰地に好んで成育し、2,000m以上の所にも天然の分布が見られるなど、木曽五木のうち最も寒冷の気候に耐え、随一の丈夫さを誇っています。

静かな高所に見合う落ち着いた色合いは、使用する人までも落ち着いた、居心地の良い空間を造り上げてくれるでしょう。

 

 3.「木」が創り出す五感で感じる癒しの空間

 

日本人は古くから「木」の文化を伝承し、生活に取り入れてきました。家屋から身の回りの生活用品まで。

私たちが木のある住空間を心地よく感じるのは、幼い頃から暮らしの中で育まれた感性の影響で、それゆえ柔らかな手触りや温もり、美しい色合い、爽やかな香りさえ覚えるのではないでしょうか。

 

同じ設計図で、同じ建築士が家を建てようとも、木の曲がり具合や年齢が違うだけで全く違う印象を与える2軒の家が建つように、あなたの生活にもそれぞれの温もり、色、香りが存在します。

「木」一本一本にもそれぞれのストーリーがあります。

私たちは、あなたのストーリー、「木」それぞれのストーリーを汲み取り、あなたに合う1本を選りすぐります。2つのストーリーが掛け合い、あなたの生活を、最高に癒しのある空間に彩ってくれるでしょう。

 

 

 4.木曽五木が繋ぐ「想い」

 

木曽五木は江戸時代初期の民家に多く使用されていたため決して数は多くないものの、私たちは取り扱ってきました。扱うたび、その民家で大切に扱われて、そこに住む家族を守ってきたのかといったストーリーを考えます。この様々な歴史や想いを、形を変え、役目を変え、いかに次の世代の生活を彩ってくれるのかを想像すると心が踊るものがあります。

 

そして、あなたが手に取ったその木材も長い間あなたに寄り添い、掛け替えのない存在になり、共に過ごした歴史やあなたの想いを携え、また次の世代へと形を変え、役目を変え繋いでくれる。

 

そんな美しいストーリーの1ページにお力添えさせて頂けますと幸いです。

 

→木曽五木の一つであるネズコを使用した富士フィルム様の施工事例はこちらからご覧いただけます

 

木曽五木のお取り扱い・販売

 

上述の「木曽の五木」について、ワールドデコズではお取り扱いがございます。

どれもこれも、自信を持って送り出すことのできる選りすぐりの一本です。

 

あなたにとっての最高の一本を見つけるお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご希望をお申しつけ下さい。