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2018.12.29

欅(ケヤキ)材を紐解く。木材として選ぶ際の3つの着眼点。

欅(ケヤキ)材は日本の高級木材の代表格として、古くから様々な建築物で使用されてきました。木目が美しく観賞価値が高い他、堅い材質であり摩擦に強い特徴もあります。

 

特に、神社仏閣の主要な柱には必要不可欠な材であるとされてきました。また、戦国時代以降のお城やその城門にも好まれて使われています。例えば、江戸城の残存物として重要文化財に指定されている「旧江戸城田安門」や「旧江戸城清水門」にも利用されています。田安門は現存する旧江戸城の遺構のうち最古のものであり、1636年に作られたものですが未だその姿を保っています。また、日本橋の橋げたも欅が使われています。

 

このように材として非常に優秀な欅(ケヤキ)材ですが、これにももちろん選びかたがございます。本記事では欅(ケヤキ)材の選定における着眼点について、ご案内いたします。

 

 

【目次】
1.欅(ケヤキ)材の活用について
2.欅(ケヤキ)材が好まれる理由
3.欅(ケヤキ)材選定の着眼点1:色,ツヤ
4.欅(ケヤキ)材選定の着眼点2:木目
5.欅(ケヤキ)材選定の着眼点3:加工技術
6.まとめ_欅(ケヤキ)材の選び方

 

 

1. 欅(ケヤキ)材の活用について

冒頭申し上げました通り、欅材はその素晴らしい特性から様々なシーンで活用されてきました。建材としての利用はもちろん、磨くと美しいツヤが現れる特性から高級家具としての利用も活発です。加えて家具だけではなく食器類での利用が見られるなど、日本人の生活に溶け込んでいる様子が伺えます。珍しいところでは、木彫りの仏像なんかにも欅が使われている事がありますね。

 

また、こうした加工品以外にも「ケヤキ並木」という言葉があるように、街路樹としての利用も活発です。成長が比較的早く、空に向かって花開くように枝と葉を広げる姿は非常に雄大で、見ているだけで清々しくなるような印象を与えます。落葉広葉樹であるため、もちろん時期が来ると綺麗な紅葉を見せたり、落ち葉を落としてくれるなど日本の四季を感じさせるような樹種となっています。

 

成長が早くかつ材として優秀なため、江戸時代には徳川幕府から植栽についての奨励策が出されていたのではないか? という研究結果もございます。
*関東地域に欅の大木が多く、その植栽パターンより仮説立てとのこと。

 

2. 欅(ケヤキ)材が好まれる理由

欅(ケヤキ)材が好まれていた理由は「建材として優秀な事」ももちろんそうですが、どちらかというとその「観賞価値の高さ」故でしょう。後述致しますが、欅材は加工に一手間必要な材であり、材として使うのは容易ではありません。

 

それでもこうして好まれている理由は「特徴的で力強い木目」、成長過程で発生する瘤などによる「杢」、そして、十分に乾燥させた材を磨いた際に現れる「ツヤ」こうした要素が絡み合い、「世界に一つしかない表情」を持つ材となりやすい事に起因するものでしょう。多様な表情を持つ事から、何かを表現したり、メッセージを込める事に適した材でありつつ、二つとない希少価値も併せ持つ、こだわりと所有欲を満たしてくれる樹種となっております。

 

もし欅材にご興味がおありでしたら一度「欅 銘木」や「欅 一枚板」で検索してみてください。「これ、本当に全部欅なの?」と思うような、多様な表情を見ることができるかと思います。もちろん価格も様々です。実際の購入にあたっての審美眼を整える意味も込めつつ、目を通してみるのも面白いかもしれません。

 

さて、そんな欅ですが材の選定にあたり、どのような点に目を通し、価値を判断すれば良いのでしょうか? 次の章からは、材の選定にあたってのポイントをいくつか列挙致します。

 

3.欅(ケヤキ)材選定の着眼点1:色,ツヤ

欅は色合いの個体差が激しい樹種でもあります。赤味を帯びた材、オレンジ色の材、黄色や金色に近い材、さらに白っぽい材など様々です。丸太に製材した時、芯が赤い材を通称「赤ケヤキ」芯が白っぽい材を「青ケヤキ」と呼んでいます。もちろん、観賞価値は赤ケヤキの方が高く、それに伴って取引される価格も赤ケヤキの方が高まります。

 

樹木の状態では確実に見分けることはできず、丸太にしてみて初めてその状態を確認することができます。Web上には様々な見分け方が掲載されていました。「紅葉時の葉の色合い」「枝の張り方」「土壌の質」「円周」「そもそも別種である」など…情報量は多くありましたが、どれも信憑性を担保できるものはなく、結論「わからない」という状況のようです。

 

また、欅は経年変化が楽しみな材でもあります。伐採後、乾燥させたばかりの材はオレンジや黄色っぽい色合いである欅も、使い込むことによってどんどん赤味が濃くなり、最終的には朱色やこげ茶色にまで変化します。合わせて木目も黒くはっきりとしてまいります。

こうした変化後の様子にも思いを馳せつつ、材の選定を行ってみるのも面白いかと思います。

 


色合いに加えて、ツヤ感も欅材の特徴の一つです。頑強な欅材は、丁寧に磨くことで驚くほどのツヤを示します。個体差は多少あれども、ほとんどの欅材がツヤを発するかとは思いますが、ここで注意したいことは「それがコーティングによるものか否か」の確認です。

 

前述の通り欅材は磨くとツヤが現れますが、一方で木材の加工技術の中にはウレタンで表面をコーティングすることにより、強いツヤを出す技術もございます。

 

決してウレタンコーティング=ダメ と申し上げているわけではありません。ウレタンコーティングは皮膜が厚くなりますので、これを行うことにより、材を汚れや傷から守ってくれる効果がございます。ダイニングテーブルなどで使用する際は飲食物をこぼした時のことを懸念しウレタンコーティングを選択される方もよくいらっしゃいます。ただ一方で、その厚い皮膜のために木材の感触が多少損なわれてしまうというデメリットもございます。

 

ウレタンコーティングであると「納得した上で買う」のであれば全く問題ありません。しかし「無垢材」や「オイルコーティング」を求めて購入した場合、後にウレタンコーティングであると発覚した際には、きっと少し残念な気持ちになってしまうかと思います。

 

ツヤの強い欅だからこそ、事故を防ぐため確認しておくことが必要です。

 

4.欅(ケヤキ)材選定の着眼点2:木目(杢目)

欅は特徴的な杢が出ることで有名です。一枚板など、特に広い面積をさらすような材の使い方をする場合、こうしたところにも是非目を向けていただきたく思います。

 

木目とは、木材の断面に現れる模様のことを指します。
製材の際、年輪に対して直角に切り出すのか、それとも年輪に沿って切り出すのか次第で模様が異なり、それぞれ「柾目」や「板目」などと呼んだりもします。

 

こちらが柾目

そして、こちらが板目

杢はこうした木目の中でもさらに特徴的なものを指します。柾目・板目のどちらにも当てはまらないものです。

 

大地に対し、垂直にピンと立っているような素直な成長の仕方をした木は、その年輪の入り方も比較的均一となりやすく、こうした柾目・板目がくっきりと表れます。しかし、木も生物です。成長の過程で何らかの原因により、その成長が阻害されてしまったり、不自然な伸び方をせざるを得ない場合があります。

 

途中で病気にかかってしまうもの、強風により曲がってしまったもの、ねじれてしまったもの、もともと斜めに生えてしまい、そこから地面に対し垂直になろうと成長したもの。落石などの物理刺激にあったもの。人為的に別の木を接ぎ木されたもの。

木には成長過程で様々な要因が降りかかり、その都度ダメージを負いながらも修復と成長を繰り返し、やがて最後には大木へと育ってまいります。そうした過程で生まれた曲りや欠けやねじれ。戦い、傷を負い、回復した痕。彼らが必死で生きた痕跡が、このような複雑で美しい模様を作り出すのです。

 

繰り返しとなりますが、欅はこうした特徴的な杢が比較的現れやすい傾向にあります。自らの納得できる、「これ」という木目・杢目に出会えるまで妥協せずにお選びいただきたく思います。

 

 

5.欅(ケヤキ)材選定の着眼点3:加工技術

これは木材そのものの選び方ではありませんが…欅は非常に加工の難しい材となりますので、材の品質はもちろんですが、それを取り扱う業者の腕が問われる樹種でもあります。

 

加工が難しいと言われる所以は大きく二つ
・頑強であること
・暴れが起きやすいこと
以上の2点です。

 

頑強であること

まず、欅は日本国内で産出される木材の中でもトップクラスの硬さを誇ります。
建材としてよく利用される杉材と比較しても、その差は歴然。杉材を加工するためのノコギリで欅を切断しようとすると、刃が欠けてしまいます。あまりの硬度に、日本では戦国時代頃に最新の製法のノコギリが開発されるまで製材が不可能とされるほどでした。現代のノコギリやカンナを使用しても、頻繁に研ぎ直しながらの作業が必要となります。

 

暴れが起きやすいこと

欅は非常に暴れが起きやすい材です。
製材の過程及び、加工後に至っても非常によく動く材なのです。
具体的には反りや伸び縮みが非常に起きやすいのです。極端な場合には割れてしまうこともあります。こうしたトラブルを防ぐため、含水率には非常に気を使います。丁寧に乾燥を行わないと大きな反りが生まれてしまいますし、乾燥が不十分な場合、加工後に暴れてしまい、製品が壊れてしまいます。

 

そうした取り扱いの難しい材であるがゆえに、取り扱う業者の腕が問われるところでもあります。欅材の購入にあたっては、こうしたトラブルを未然に防ぐため、業者との打ち合わせを綿密に行い、十分な知識を持っている業者かどうかよく吟味することが必要です。

 

 

6.まとめ_欅(ケヤキ)材の選び方

以上、欅材のご紹介です。
まとめると「特徴的」で「加工の難しい」材であるということです。
それゆえ、納得のいく材と出会えた時の喜びはひとしお。

 

日本において、古来より見る者を熱狂させてきた欅材。
選び抜いた一本一枚は決してあなたを後悔はさせません。

 

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