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2019.04.01

美しい吉野杉と幻の高野杉のお取り扱い【販売/加工】

チークやカリンなどの古材を中心に取り扱っているワールドデコズですが、本拠地の工場は奈良県にあり、吉野の杉材や檜材も豊富に取り扱っております。この辺りで産出される材は建築材として非常に優秀であるとして扱われています。

 

今回、そんな高級建築材として珍重される吉野杉に混じり、とても珍しい材が入荷いたしました。それが高野杉です。それも、大きなサイズの一枚板が手に入りました。

 

ある種、幻の一枚ですので、その魅力をふんだんにお伝えすべく、今回の記事を執筆致しました。こちら、お目通し頂けますと幸いでございます。

 

【目次】
1.杉材の特徴
2.吉野杉とは
3.高野杉とは
4.各杉材の販売について
5.まとめ_吉野杉と高野杉のお取り扱い

 

 

1.杉材の特徴

 

杉材は日本国内においては古くから積極的に活用されて参りました。杉材の利用は縄文時代以前から始まっていたとも言われており、日本人にとってはもっとも馴染みの深い木の一つといっても過言ではないでしょう。

 

縦方向への加工が容易なことから一枚板から柱材まで、様々なシーンで杉材は利用されています。生育が早いため古くから植林の対象とされ国内のあちこちで人工的な杉林が作られています。特に、日本がまだ戦争を行っていた頃、莫大な軍需物資として木材が必要となり、大量伐採を行う傍らで大量の植林を全国的に政府主導で行ったのでした。

 

*ちなみに、現在は輸入材の方が低価格なため、これらの植林は放置されてしまっています…

 


杉材は、中心部分がピンクのような、濃いめの肌色をしており、外側が比較的白っぽい材です。まっすぐ伸びた綺麗な木目が美しくありますが、非常に濃い色の節が時折混じります。日本人であれば、色々なところで見かける光景でしょう。混じり気のない木目ももちろん素敵なものではありますが、こうした節が入ることで、なんとなく安心感や懐かしさ、そして木材らしさを感じるような気がします。

 

さて、そんな日本人にとって馴染みの深い杉材ですが、その中でも特別扱いされている二種類の杉材を本コラムではご紹介致します。

 

ありふれた材であるはずの杉材が一転、様々なストーリーを経て「ここにしかない材」へと変化するのです。まさに、ワールドデコズらしい一品かと思っております。

 

2.吉野杉とは

吉野杉とは、その名の通り奈良県中南部の吉野林業地帯にて産出される杉材のことを指します。用途としては、建築材、建具、敷居、鴨居、化粧板、床板、樽など、主に高級建築材として使われます。

 

一般的に白っぽい杉材ですが、吉野杉は中身が詰まっており柔らかなオレンジ色のような、薄い朱色のような優しい色合いを見せます。これは、吉野杉が置かれた環境に由来するものであり、吉野杉が高級建築材としてブランド化されるまでに至った理由でもあります。

 

吉野杉の林は他の杉の林と比べて、圧倒的に高い密度で植林が行われております。
国有林での杉の植林は、1万平方メートルあたり3,000本程度、その一方で吉野杉は同じ広さの土地におよそ10,000本以上の植林を行います。若木のうちから枝打ちや間伐を行い、良質な材を優先的に育ててまいります。育成期間も他の林より比較的長期です。

 

人の手によって徹底的に成長を管理された吉野杉は、他の林で育った杉よりも年輪が細かく中身の詰まった強い材となります。そして、若木の頃から丁寧に枝打ちを行ったおかげで節が少なく美しい板の取れる材となります。

 

また、そうした背景から江戸時代以降、主として清酒の醸造の際に利用される樽丸(たるまる)という樽や桶造りの用材として使われ、さらに需要が高まりました。吉野杉は丁寧な枝打ちと間伐による管理から芯が中心にあり曲りが少ないことに加え、細かく均一な年輪を持つことから強度があります。

 

これは、樽材として使用された際に酒漏れを起こしづらいという特徴となり重宝されてきました。また、吉野杉は木の香りに優れ色が白いことで、樽材に使用しても酒が赤く染まらず香りも移らず、質の良いままの清酒を消費地に届けることができました。

 

吉野杉が抱えるストーリーは「人々の手間」「技」そして「愛情」です。数十年もの気が遠くなるような長い時間、細かな手入れを繰り返し、人が介在することによって美しい姿となる材、それが吉野杉です。自然の力だけでは生み出せない材なのです。

 

【参考】吉野杉について深く知りたい方はこちらもご確認ください。
お取り扱い樹種_吉野杉

 

 

3.高野杉とは

高野杉は前述の吉野杉とはまた別角度のストーリーを持つ材です。
高野杉はその名の通り、高野山から産出される杉材のことを指します。

 

高野山は弘法大師空海が開いた真言密教の修行道場であり、高野山真言宗の総本山です。世界遺産にも認定されており毎日のように多くの参拝客が訪れます。

 

高野山の奥の院には織田信長や豊臣秀吉をはじめとした、多くの戦国武将のお墓があり、さらにその奥には弘法大師御廟として、真言宗開祖である空海のお墓がございます。多くの人々が眠る神聖な土地、それが高野山です。

 

高野山には樹齢数百年を超えるような杉の大木が何本も乱立しています。土地柄も相まって、無数の大木がそびえ立つ様は厳かかつ雄大であり、見るものを圧倒させる一方で、どこか安心を誘うような不思議な雰囲気を醸し出します。こうした素晴らしい材は霊木とされ、寺院の修繕目的以外では基本的に伐採を行うことができません。

 

しかし、とある事情からそんな材の一部が私たちの手元にございます。
世にも不思議な材ですが、興味のある方はいらっしゃいますでしょうか?

 

高野杉が抱えるストーリーは「神聖」そして「厳か」。圧倒的な存在感を持つその材は、目を向けると自然と背筋が伸び、触れると心が落ち着き、安心感を与えてくれる。そんな不思議な材なのです。

 

4.各杉材の販売について

さて、ワールドデコズでは上記二種の杉材の取り扱いがございます。
吉野杉は比較的在庫があるものの、高野杉はほぼ在庫切れに近いような状態となっておりますので、ご興味のある方がいらっしゃればお早めにお問い合わせください。
使用用途とご希望のサイズ感をご連絡いただければ、適切な材をこちらで選定しお写真をお送りさせていただきます。

 

一口に杉材と言っても、表情が大きく異なる二本。使い方次第で全く異なる雰囲気を空間に与えることが可能と思います。こうした美しく、貴重な材を加工する際は私たちも少しだけ緊張致しますが「私たちがやらないで、誰ができるんだ?」という気持ちで作業に臨ませていただきます。

 

それが、こうした貴重な材を預けていただける私たちが担うべき、「責任」なのではないでしょうか。

 

5.まとめ_美しい吉野杉と幻の高野杉のお取り扱い【販売/加工】

吉野杉と高野杉、同じ種類の木材でありながら、全く別の性質を持つ二つの材をご紹介して参りました。優劣が付くものではありませんし、比べるものでもありません。どちらも素晴らしい材です。

 

ただ私が願うのは、どちらの材も、大切にしてくださる方と巡り合って欲しいなと常々思っております。どんなに素晴らしい材でも、倉庫にあるうちは「在庫」であり、本来の素晴らしさ、魅力を活かしきれていない環境にあります。

材は空間に設置されて、初めて魅力を演出します。周囲の空間と相まって、存在感を放つのです。

 

このコラムが多くの方の目に届き、これらの素晴らしい材を手に取ってくださる方が現れるその日を、私たちは心待ちにしております。