2019.02.21

チーク材の選定から加工まで。購入の際のポイントをご紹介。

ワールドデコズでは高品質なチーク材を取り扱っています。現地で伐採されたチーク材を、一本一枚、全て自分たちの目で確認し、その上で仕入れを行っています。

 

様々な状態で日本に運ばれてきたチーク材は、お客様のご希望に合わせて奈良の加工場で形を変え、皆様の元に届けられます。

 

本記事ではチーク材が入荷するところからお届けするところまでの流れをご紹介致します。一連の流れを通して、皆様がチークを購入する際の参考として頂けますと幸いでございます。

 


【目次】
1.チーク材の選定
2.チーク材の価値付け
3.チーク材の運搬
4.チーク材の加工
5.チーク材が製品化するまで
6.まとめ

 

1.チーク材の選定

仕入れの際はタイやミャンマーなど、チークの原産地に足を運び、現地の木材を取り扱う業者の皆様と直接交渉を行いながら仕入れを行います。

 

チーク材は決して安いものではない上、一つ一つ材の状態が異なっておりますので、自らの目で確かめないで仕入れを行うことは非常に危険なのです。材そのものも重要ですが、保存状況や施設の状態など、現地の方が材をどのように扱っているかについても注意して確認しておく必要があります。

 

保存状態や環境が悪ければ、もし見た目が綺麗でも、細部や内部に不具合を抱えているもあるでしょう。こうした材を表面の様子だけ判断し施工してしまうと、無垢材ゆえ、後に大きな不具合に繋がる可能性があるのです。

 

また、チーク材の在庫があるのは業者のもとだけではありません。日本では高級木材として扱われるチーク材ですが現地では圧倒的に親しみやすく、民家や施設の建材や、家具として使われている場合も少なくありません。様々な形で、村の各所に利用されているのです。過去には民家の庭に、以前は建材として使っていたであろうチークの柱材が何本も保管されていたこともありました。

 

こうした、いわゆる古材として産出することも少なくありませんので、自らの足を使って現地を回ることは非常に重要となります。

 

2.チーク材の価値付け

チーク材は今や輸出入が制限されている材であり、新材古材問わず非常に貴重なものとなっています。

 

黄金色や飴色をした新材は、その美しさから過去から現在にかけて長年愛され続けていますし、一方で古材とされるいいように風化した材も独特の雰囲気をまとい、コアなファンの方が多数いらっしゃいます。

 

様々な状況の材が日本に運ばれて参りますが、それらは下記のような基準で価値付けを行います。

 

・生産量_現状の規制状況や、現地の在庫量、仕入れの難しさ
・傷の有無_綺麗なものは高価。割れがあるものは補強を行う工数が必要
・樹齢_木材という特性上、200年ものなどは非常に高価
・ブランド_タイよりミャンマーの方が高価な印象。ただし、影響度は低め
・サイズ_育つまで時間がかかる木材の特性上、ある一定の大きさ以上のものは非常に高価となる
・希少性_上記の特性を加味し、世の中に少ないものは高価。また、古材は産出量が少なく、希少性が高くなりやすい

 

材の価値は見た目の綺麗さのみで決まるわけではなく、様々な要因が絡み合って形成されます。こうしたことも相まって、現地に材を確認しに行かないことにはなかなか仕入れの判断が付かないのです。

 

3.チーク材の運搬

現地から日本への木材の運搬方法は様々で、空輸だったり海運だったりをその時の状況に合わせて使用しています。国内では自動車での運搬がメインになるでしょうか。

 

一方、現地での運搬方法は多岐にわたり、非常に興味深いです。

 

まず伐採が行われた地点から、製材所まで運ばなければいけません。これにはやはり動力を使用しますが、乱立するチーク材一本一本全てに道路を作ることは非常に労力が必要となりますし、加えて自然にも負荷がかかってしまいます。そのため、現地では伐採地点からの運び出しに象を使います。

 

山奥で伐採されたチークですが、製材所までの運搬にはしばしば道路ではなく川が使われます。運び出したチークを何本も束ね、船に乗せる訳ではなく直接水に浮かべ、船で牽引するのです。


*こうした運搬の際、荷が解けてせっかくのチーク材が行方不明になる例が過去にはありました。チークの比重は0.6前後であり、基本的には水に浮かびますが、何らかの要因により沈んでしまうものもあったようです。このように川や湖に沈み、それから後に発見されて引き上げられたチークは、腐るどころか逆に強度を増している場合があるのです。

現地の淡水にはシリカ(水晶)が豊富に含まれています。水分を自らの中に吸収したチークを再度乾燥させると、水分自体は飛ぶのですが、こうしたシリカの粒子は内部に残り、材の細かな隙間を埋めてくれるのです。

 

4.チーク材の加工

チークの丸太は基本的に、現地の製材所にて板材等に製材されます。それから1年近い乾燥期間を経て、初めて日本に輸出できる状態になります。

 

日本に運ばれたチークは奈良の倉庫にて保管しており、お客様のリクエストが入った際に一枚一枚ご希望通りに加工を行うのです。

 

チークは比較的、反りや曲がり、割れが起きづらく、そうした意味では加工のしやすい材ではありますが、一方で強度が非常に高いため結果としては加工が難しい材として分類されています。

 

また、古材になるとより一層強度が増しているものもあれば、風化の過程でどこかにダメージを負ってしまっているものもあり、さらに加工の難易度は高まります。長い間チークにこだわり続け、より多くの材をこの目で選別し続けた私たちだからこそ、こうした材を扱うことができるのです。チーク材の扱いに長けるということは、どれだけチーク材に触れ、その目で見てきたのかということと同義なのです。

 

5.チーク材が製品化するまで

ワールドデコズでは、店舗・オフィス、個人向け問わずオーダー家具の素材提供を行っております。また、素材の提供だけでなく、制作・設計・施工といった技術が必要な実務ベースの作業に加え、コンセプトに基づいたマテリアル(素材)の選定など、これまで材に触れてきたが故の知識と経験を存分に使用し、皆様のもとにチーク材の製品をお届けします。

 

製品化の流れとしては、まずはお電話でのヒアリングを行う場合が多いです。テイスト、樹種、サイズ、色、堅さ、仕上げ方、ご予算など、材を選定する判断基準となる要素をお伺いします。

 

お話いただいた内容をもとに、倉庫の方からご希望にあう材を幾つか取り出し、お写真とともにご提案させていただきます。品質に関しては厳重なチェックを施しておりますのでどうぞご安心ください。お客様は木目や色合いなど、特にフィーリングが合うかどうか、使用シーンに適しているかどうかなどをご確認いただきます。

 

この段階ではまだ決定に至る必要はありません。多くの材を直接目にして、イメージを膨らませていただく段階でございます。こうしたやりとりを何度も続け、細かい部分を詰めていくのです。材に対する違和感などをお伝えいただくことにより、こちらから材をご提案させていただくことも可能でございます。また、イメージがある程度形になった段階で、さらに細かいフィーリングを合わせるべく、奈良の倉庫を直接ご見学いただくことも可能でございます。

 

材と加工方法を決めた段階で予算が確定しますのでご判断をいただき、ご発注となれば早速製作を開始させていただきます。

 

6.まとめ_チーク材の選定から加工まで。

選定から加工までの流れはいかがでしたでしょうか?
目の前に出来上がったチーク材の製品がこれまでに経た時間に思いを馳せると、私たちも非常に感慨深いものを感じます。

 

チーク材を購入するということは、単に「高いもの」や「綺麗なもの」を購入することとは一線を画します。そこにはチークが芽吹いたその瞬間から200年以上も続く長く多難な道のりがあるのです。

 

そうした経験からにじみ出るチークの素晴らしさを、ぜひ味わっていただきたいと願い、私たちは今日も材と向き合うのです。

 

みなさまからのお問い合わせを、心待ちにしております。