2019.03.04
チーク材とは? 材の特徴と選定のポイントを解説。
チークという材は、長年にわたり世界各国で愛され続けています。
素直な材で強度があり、加えて美しさも兼ね備えたチークは、建材としての使用に加え、高貴な王宮の材としての利用がされる一方で戦艦にも使用されてきました。現存する木造の橋にもチークが使用されていますし、皇室御用達の列車の装飾もチークが使用されています。
ワールドデコズではチークの取り扱いに非常に力を入れており、日々多くのチーク材と向き合っております。他方、私たちのお客様の多くはチーク材の素晴らしさに惹かれながらも普段の生活でチーク材に触れる機会は決して多くありません。その中で「どのように選んだらいいのかわからない」というようなお悩みをよくお伺いします。
このページではチーク材に対して馴染みのない方でも、インテリアや内装、それからエクステリアにチーク材を取り入れ、その美しさを気軽に楽しむことができるように、チーク材の特徴から選定の方法までを網羅的にご案内いたします。
初めてチーク材を取り入れるお客様も、過去に取り扱いの経験があるデザイナー様も、もしチーク材についてご不明な点がある方がいらっしゃれば、この記事にお目通しいただくことできっと解決ができると思います。
【目次】
1.チーク材の特徴
2.チーク材の価格
3.チーク材特有の「古材」という概念
4.チーク材の選定ポイント
5.まとめ_チーク材とは
1.チーク材の特徴
まずはチーク材の特徴を確認し、そもそもどのような材であるかを理解しましょう。
チーク材にはいくつかの際立った特徴があります。
・強度
・反りや曲がりの起きづらい性質
・油分を多分に含む
・水分や腐敗への耐性
・防虫性
・美しさ
・経年変化
【参考】もっと深く知りたい方はこちらの記事もご確認ください。
チーク材の3つの特徴。なぜチーク材は世界中で愛されるのか?
日本では高級家具材としてのイメージが強いチークですが、その特徴は見た目の美しさだけには止まりません。ヴィンテージやアンティークとして、過去の家具が現代まで形を残すのも、その木材としての優秀さ故でしょう。
ただチークも生き物ですから、上記のような特徴も産地や生育環境により大きく個体差が現れます。加えて、伐採から製材までの過程によっても品質に変化が現れますので、産地ごとの特徴を少しだけ考慮する必要があります。
チークの産地は主に東南アジア諸国であり、一般的に「チーク」と呼ばれるものには3つの品種がございます。フィリピンの固有種、ミャンマーの固有種、ベトナム・ラオスあたりからインドまでの広範囲に渡って分布している種の3つです。
特にミャンマーから産出されるものは最高級品とされ、過度な伐採を行ってしまった結果、今では非常に厳しい輸出制限がかかっています。伐採から製材まで、何回ものチェックを通さなければならないほどです。
しかし、自然界でゆっくりと育った樹齢200年を超える天然チークの老木は、そのサイズもさることながら中身もぎゅっと詰まり、美しさと強さを兼ね備えた最高の材となるのです。
一方、近年比較的身近に手に入れられるものとして、インドネシアのチークがあります。チークの過度な伐採を受け、インドネシアではおよそ300年前からチークの植林を行ってきました。人工的に管理された材は生育も早く、出来上がる材も大きさが揃っており安定しやすい傾向にあります。かつ自然に対する負担がある程度軽減されていると言えるでしょう。
【参考】もっと深く知りたい方はこちらの記事もご確認ください。
ネシアチークとは? 【チーク一枚板、古材の取り扱いあり】
ミャンマーチークとネシアチークでは、材の様子が異なります。
どちらが材として優れているか。という話ではなく、表情が異なるのです。
また、この二つに加えてタイチークという選択肢もございます。
とはいえ全ての材の特徴を網羅的に抑えるのは非常に大変なことであるように思います。こうした各材の特徴については私たちが一枚一枚丁寧にご案内させていただきますので、もしチーク材にご興味をお持ちでしたら「テーブル、フローリング、ベンチなど、どんな用途で使うのか?」「オフィス、飲食店など、どんなシーンで使うのか」の2点だけ決めていただき、ご相談いただけますと幸いでございます。
2.チーク材の価格
上記で述べたように、チーク材にも様々な種類があり、その価格はピンキリです。
一概に「これ!」と言える基準はなく、価格を決める要素は幾つかの項目から成り立っています。
・産地
・サイズ
・経年変化
・美しさ
などが特徴的なところでしょうか?
具体的な金額につきましては、ケーススタディとして下記記事にいくつか実際の例を掲載したおりますので、ぜひお目通しください。
【参考】詳細はこちらの記事も合わせてご確認いただければと思います。
特に、サイズは材の価値を決める上で非常に重要な指標となります。木材であるという性質上、大きな材は単純に、大木からしかとることはできませんし、大木は生育までにおよそ200年程度かかるため、どうしても在庫量が限られてしまいます。希少価値が高いのです。
ゆえに、ダイニングテーブルやカウンターなど、ある程度の長さがしっかりとあり、かつ幅のある大きな一枚板は、現代においては非常に貴重です。世界各国のどこを探しても在庫がないような状況が刻一刻と迫ってきています。
3.チーク材特有の「古材」という概念
チーク材の特徴は美しさだけでなく、その強靭さにもあるというように先の項で述べました。頑丈な材であるが故に、チークには「古材」という概念が存在します。
古材はその名の通り、とても長い時間を経た材のことを指します。
その長い時間の過ごし方次第で、様々な表情や雰囲気を纏い、とても味わい深い材となるのです。
【参考】古材についてはこちらの記事も是非ご確認ください。
傷も割れも表情も。長い年月をかけて作られた、世界でたった一つだけの木材。
チークの古材においては、特徴的な美しさは「風化により懐かしい雰囲気」を帯びたり「経年変化により深い飴色に変化」したりなど、その環境や度合いによって様々な表情に変化します。
【参考】古材チークについてはこちらの記事も是非ご確認ください。
古材チークという木材の販売【一枚板/床材ほか】
中にはあまりにも個性すぎて取り扱いが難しく、一般的なお店では販売できないような状態の材もたびたび産出されます。形状から経年変化の度合い、風化の進み具合などあらゆる「状態」が特徴的なのです。明らかに「同じものは二つとない」ような材ですから、加工・製作の際も緊張が走ります。チーク材に向き合って数十年の、職人の技があって初めて加工できるような、古材チークとはそういう代物なのです。
4.チーク材の選定ポイント
選定の際には様々なポイントがありますが、基本的には2つのポイントを押さえていただければと思います。
それは
「希望の用途を満たすものであるか」
「フィーリングが合うか」
の2点です。
希望の用途を満たす
これは基本的に「サイズ」の問題です。
どんなに美しい材でも「チークを買うこと」が目的になることはほぼありません。チーク材を用いることにより「実現したい何か」があるはずです。
過去に「天板の選定」についての記事を書きました。
記事内の一部を下記に抜粋し、ご紹介します。
例えば、「自宅のPC作業デスク」として使用する天板を探しているとすると、どれくらいのサイズ感が必要になりそうか、イメージすることはできますか?
本記事を書きながら、私がオフィスで使用している作業デスクのサイズを測ってみると
横幅:1,100mm
奥行:650mm
でした。個人的な体感となってしまいますが、サイズ感はちょうどよく、特に奥行についてはこれ以上縮めてしまうと非常に不便を感じてしまうように感じます。
また一枚板として購入する以上、テーブルとして使用するには別途「脚」を購入する必要があります。この脚は通常、一枚板の両端から少し内側に入ったところに設置されます。これにより「椅子を収納できるスペースが小さくなる」ことに注意しなければなりません。
残念ながらこうした肌感覚が日常生活の中で養われる機会はそうあるものではありません。ほぼ全てのお客様に、同様のリスクが潜んでいると言っても過言ではありません。
【参考】もっと詳しく知りたい方はこちら。
このように、どのような用途で使うのかにより、必要な「サイズ」が決まります。
これは好みの問題ではなく「最低限満たさなければいけない項目」として扱います。ただ一方で、お客様が普段の生活の中で、木材のサイズ感について考えるような機会は中々少ないかと思います。
【参考】より深く知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
なので、ある程度の用途だけイメージした上で、ワールドデコズにご相談いただければ、「椅子は何脚入れる想定ですか?」「どんなシーンで使用しますか? 作業用ですか? 団欒の場での使用ですか?」など、必要な項目についてヒアリングをさせていただきます。
フィーリングが合うか否か
用途が確定した後は、正直なところ「フィーリングが合うか否か」でお選び頂けば間違いはないかと思います。といいますのも、木材にはひとつひとつ異なる表情があり、その優劣はつけがたいからでございます。
どのような表情があるのか、どんな要因から表情が生まれるのかは、下記記事にてまとめておりますので、合わせてご覧下さい。記事では「古材」について述べていますが、ほとんどの木材において、同じ内容が当てはまります。
【参考】より深く知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
フィーリングという意味では、より多くの材や製作例を見た方が、インスピレーションが湧くかと思います。もしお時間に余裕があれば、こちらの製作実績も合わせてご覧いただき、相続力を掻き立てる糧として頂けますと幸いでございます。
【参考】より深く知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
用途別、製作実績のご案内
【参考】こちらの記事にもチークの製作事例が掲載されています。
ヴィンテージなインテリアを古材の活用で実現する
5.まとめ_チーク材とは
ここまで、チーク材についてまとめて参りました。
結論、チークには様々な状態や特徴があり、それらを網羅的に理解することは非常に勉強や時間が必要なこととなりますので、難しいことかと思います。
私たち、ワールドデコズはそんなチークの専門家です。何十年も前から、チークと向き合い、何百、何千ものチークに触れて参りました。
チークの表情や特徴について、知り尽くしているつもりでおります。
もしチークにご興味があれば、そんな私たちを生き字引のようにご利用いただければと思います。みなさまのお悩みや疑問、それからご希望に対して、全力でお応えすることを約束致します。